この記事では、Windows環境で ffmpeg をインストールし、PowerShellやコマンドプロンプトから使えるようにPATHを設定する手順をまとめます。
ffmpegは、動画や音声ファイルの変換、音声抽出、形式確認、切り出しなどに使われるコマンドラインツールです。このサイトでは、yt-dlpで取得した許諾済み素材の前処理や、Whisperで文字起こしする前の音声ファイル作成などで使うことが多いため、まずここで環境を整えておきます。
この記事でできること
- Windowsにffmpegをインストールする
ffmpeg.exeが入っているbinフォルダをPATHに追加するffmpeg -versionで動作確認する- yt-dlpやWhisperと組み合わせる前に、最低限の確認を済ませる
- PATH設定でつまずいたときの確認ポイントを整理する
想定読者
- Windowsでffmpegを使えるようにしたい方
- yt-dlpやWhisperを使う前に、前提環境を整えたい方
- 「ffmpegが見つかりません」「not recognized」と表示されて止まっている方
- 動画や音声データをPythonで扱う前に、変換用ツールを準備したい方
ffmpegとは
ffmpeg は、動画・音声ファイルを扱うためのオープンソースのツール群です。分析前処理では、たとえば次のような場面で使います。
- 動画ファイルから音声だけを取り出す
- 音声ファイルをWAVやMP3など別形式に変換する
- 長い音声の一部を切り出す
- 動画と音声を結合する
- サンプルレートやチャンネル数を確認する
Pythonだけでも音声・動画データを扱う方法はありますが、実務や個人分析ではffmpegを裏側で呼び出すライブラリも多いです。先にWindows側で使える状態にしておくと、後続の作業がかなり進めやすくなります。
利用上の注意
ffmpeg自体は、動画や音声を変換するための汎用ツールです。第三者の動画や音声を無断で保存・再配布するためのものではありません。
- 自分が権利を持つファイル、または利用許諾のあるファイルを対象にしてください。
- YouTubeなど外部サービスと組み合わせる場合は、各サービスの利用規約や著作権上の扱いを確認してください。
- 会社PCや学校PCでは、管理者権限やセキュリティポリシーによりインストールできない場合があります。
- この記事では、Windowsの一般的な個人環境を前提にしています。
インストール方法の選び方
Windowsでffmpegを使う方法はいくつかあります。初心者の方には、ZIPファイルをダウンロードしてPATHを設定する方法が仕組みを理解しやすいです。ターミナル操作に慣れている方は、wingetを使う方法でも構いません。
| 方法 | 向いている人 | 補足 |
|---|---|---|
| ZIPを手動配置 | PATH設定を理解しながら進めたい方 | この記事のメイン手順です |
| winget | コマンドで環境構築したい方 | PCによっては利用できない場合があります |
方法1:ZIPをダウンロードして手動で設定する
まずは、ZIPファイルをダウンロードして任意の場所に配置し、PATHに追加する方法です。手順は少し長く見えますが、やっていることは「ffmpeg.exeの場所をWindowsに教える」だけです。
1. ffmpegのWindowsビルドをダウンロードする
FFmpeg公式サイトのダウンロードページを開きます。
公式サイトではソースコードのほか、Windows向けにビルド済みファイルを配布している外部サイトへのリンクが案内されています。Windowsで使う場合は、公式ページ内の Windows EXE Files から Windows builds from gyan.dev などを選びます。
迷った場合は、一般的な変換や音声抽出に必要な機能が入っている essentials 系のZIPを選べば十分です。ファイル名やバージョン番号は更新されるため、この記事では固定のバージョン番号には依存しません。
2. ZIPを展開して配置する
ダウンロードしたZIPを展開すると、次のようなフォルダが作成されます。実際の名前はバージョンによって変わります。
ffmpeg-8.x-essentials_buildこのフォルダの中に bin フォルダがあり、その中に ffmpeg.exe が入っています。
管理しやすくするため、展開したフォルダを次のような場所に移動しておくとわかりやすいです。
C:\ffmpegこの場合、PATHに追加するのは次のフォルダです。
C:\ffmpeg\binもしフォルダ名を変更せずに使う場合は、実際のフォルダ名に合わせてください。
C:\ffmpeg-8.x-essentials_build\bin3. PATHにbinフォルダを追加する
次に、Windowsの環境変数 Path にffmpegの bin フォルダを追加します。
- Windowsの検索欄で「環境変数」と入力する
- 「システム環境変数の編集」を開く
- 「環境変数」をクリックする
- ユーザー環境変数、またはシステム環境変数の
Pathを選ぶ - 「編集」をクリックする
- 「新規」をクリックし、ffmpegの
binフォルダを追加する - OKを押して保存する
個人PCであれば、ユーザー環境変数の Path に追加するだけで足りることが多いです。すべてのユーザーで使いたい場合や開発用PCとして管理している場合は、システム環境変数に追加する方法もあります。
会社PCなど管理者権限がない環境では、システム環境変数を変更できないことがあります。その場合は、ユーザー環境変数側に追加できるか確認してください。
4. ターミナルを開き直す
PATHを変更したあとは、すでに開いているPowerShellやコマンドプロンプトを一度閉じて、開き直してください。古いターミナルには変更前のPATHが残っていることがあります。
動作確認:ffmpeg -versionを実行する
PowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します。
ffmpeg -versionバージョン情報が表示されれば、設定は完了です。
ffmpeg version 8.x ...
libavutil ...
libavcodec ...
libavformat ...バージョン番号はインストールしたファイルによって変わります。ここでは、ffmpeg version から始まる情報が表示されていれば問題ありません。
方法2:wingetでインストールする
Windows Package Manager(winget)が使える環境であれば、コマンドからインストールする方法もあります。
まず、検索して候補を確認します。
winget search ffmpeg候補を確認したうえで、パッケージIDを指定してインストールします。環境によって候補名が変わる可能性があるため、検索結果を見てから実行するのが無難です。
winget install --id Gyan.FFmpeg -eインストール後は、同じようにPowerShellを開き直して ffmpeg -version を実行します。
yt-dlpでffmpegが使えるか確認する
yt-dlpでは、動画と音声の結合や音声抽出のためにffmpegが使われます。ffmpegが見つからない場合、ダウンロード自体はできても変換や結合で止まることがあります。
確認用として、yt-dlp側からffmpegの場所を明示することもできます。
yt-dlp --ffmpeg-location C:\ffmpeg\bin --version通常はPATHが通っていれば --ffmpeg-location は不要です。どうしても認識されない場合の切り分けとして使う程度でよいと思います。
yt-dlpの使い方は、次の記事で整理しています。
yt-dlpで許諾済み動画の音声・字幕を分析用に取得する方法|Whisper文字起こし前処理
Whisperで使う音声ファイルを作る例
Whisperで文字起こしする場合、元データが動画ファイルであれば、先に音声だけを取り出しておくと扱いやすくなります。
ffmpeg -i input.mp4 -vn -acodec pcm_s16le -ar 16000 -ac 1 output.wavこの例では、動画ファイル input.mp4 から音声を取り出し、16kHz・モノラルのWAVファイルとして保存しています。文字起こし用の前処理では、音質を上げるというより、扱いやすい形式にそろえる意味合いが大きいです。
Whisper側の処理は、次の記事で扱っています。
WhisperでYouTube音声を文字起こしして要約する方法|Pythonサンプル付き
うまく動かないときの確認ポイント
ffmpegが認識されない
次のような表示が出る場合は、PATH設定が反映されていない可能性があります。
ffmpeg is not recognized as an internal or external commandPathに追加したのがC:\ffmpegではなくC:\ffmpeg\binになっているか確認するbinフォルダ内にffmpeg.exeがあるか確認する- PowerShellやコマンドプロンプトを開き直す
- それでも反映されない場合は、Windowsを再起動する
フォルダ名を変えたあとに動かなくなった
ffmpegのフォルダを移動したり名前を変えたりした場合、PATHに登録している場所も変更する必要があります。たとえば C:\ffmpeg_old\bin をPATHに残したまま C:\ffmpeg\bin に移動すると、Windowsは古い場所を探しにいきます。
PowerShellでは動くがPythonから見つからない
PythonやエディタをPATH変更前から起動している場合、古い環境変数を見ていることがあります。VS Code、Jupyter Notebook、Anaconda Promptなどを一度閉じて、開き直してから再実行してください。
この記事の位置づけ
この記事は、YouTubeや動画・音声データを分析する前の環境準備として書いています。ffmpeg単体で何かを分析するというより、yt-dlp、Whisper、Pythonの音声処理ライブラリを使う前に、変換処理の土台を整えるための記事です。
次に読む記事としては、目的に応じて以下がおすすめです。
- YouTubeの情報を取得する方法まとめ|公式API・字幕・チャット・文字起こしの使い分け
- yt-dlpで許諾済み動画の音声・字幕を分析用に取得する方法|Whisper文字起こし前処理
- WhisperでYouTube音声を文字起こしして要約する方法|Pythonサンプル付き
まとめ
Windowsでffmpegを使うには、ffmpeg本体を配置し、ffmpeg.exe が入っている bin フォルダをPATHに追加します。設定後に ffmpeg -version が表示されれば、基本的な準備は完了です。
一度設定しておくと、動画から音声を取り出したり、Whisper向けに音声形式をそろえたり、yt-dlpで取得した許諾済み素材を前処理したりしやすくなります。うまく動かない場合は、PATHに追加したフォルダが bin まで含まれているか、ターミナルやエディタを開き直しているかを確認すると切り分けやすいです。